革装本を革で補修する その前に・・・


年が明けてからは再びリシュリュー館に戻ってまいりました。
そして第2のヤマバである、革装本を革で補修するという研修に入っております。

まず3冊の資料を研修用にいただきました。全ページのクリーニングからはじめます。
続きまして修復に・・というわけにはいきません。
革を薄くする作業(革漉き)の練習から入ります。革漉き包丁の持ち方からはじまり、研ぎ方の練習を延々と続けます。
私は革漉き包丁を持っていなかったので、はじめは研修生用のを使わせていただきました。革漉き包丁というのは、クセがつくので他人には使わせてはいけないものなのです。こちらの製本学校では、「革漉き包丁と歯ブラシは人のものを使うな」と教えられるそうです。私の包丁は過去に研修生2名が使ったものですので、私のクセになるまで研ぎ続けます。そしてようやく革に触れることができます。
まず大きな革で練習します。

(私の手ではありません。)


慣れてきたら、課題が出されます。渡されたのは5センチ角の革。
周囲がとても薄くて、中央はやや薄く、どこも均等になっています。
「同じようにしてみて。デコボコがあったらダメです。いい練習になるでしょ。じゃ、頑張って!」と言って去って行くのでありました。ヒント欲しいでッス・・。と思いながら悪戦苦闘、七転八倒の末、革のカスまみれになり、ようやく5センチ角でOKが出ても、まだまだ敵は手強いのです。


最終的に角の補修に使うのは、

このような形の革なのでありました。