郊外の保存センター

4月に入り、3週間はパリの郊外にある保存センターでの研修でした。
保存センターはパリの東、ディスニーランドパリ方面にあります。
パリから電車に30分程度乗り、その後さらにバスに乗ります。
駅前は新興住宅地で、駅を離れると企業の工場や配送センターばかりです。

保存センターは1995年に建てられました。
保存書庫と修復工房、研究所、デジタル化/マイクロ化のラボ、録音/映像資料のデジタル化のラボに分かれています。
設備はとても整っています。修復工房は、保存用品会社のカタログにあるものをすべて買ったのではと思うほどです。
また研究所も何の研究所ですか?と聞きたくなるくらいの設備です。
私は修復工房で2週間、研究所で1週間の研修を受けました。


修復工房では主に一枚ものの資料の処置をしました。

これは1900年前後のストのポスターです。さすがストの多いフランスです。
欠けているところに同じ色の紙の繊維を流し込み、その後裏打ちをしました。
大きいものは2人がかりです。



研究所では、ゼラチンの研究の一端を少しだけさせていただきました。
日本語でもわからないことばかりなのに、とてもわかりやすく教えていただきました。
研究の成果が出るのはいつかはわかりませんが、楽しみに待ちたいと思います。