館内補修の準備


図書館製本の準備の後は補修製本の準備の研修でした。

こちらは4名で担当しています。
補修も一部は外注に出しています。またトルビアック館だけでなく、郊外にある保存施設内のアトリエなどに振り分けられます。補修に出すものも補修から返ってきたものもどちらも1冊1冊プチプチの袋に入れられています。


ソフトカバーで仮綴じの状態のものを綴じ直して表紙をつけるものや革装の本の補修などなどの準備をします。
資料の大きさをはかったり、どの部分をどのようにとっておくかを指定してパソコンで入力していくのは図書館製本のところと同じなのですが、こちらでは、1ページごとに注意深く補修が必要なところを見ていきます。角の折れ目や破れがないか、汚れがひどいところがないか等々です。


新しく表紙をつけるものは、あらかじめ所管課から指定されていますが、こちらでももう一度確認します。
そして、コメントを書き込んでいきます。たとえば、
「半革製本 11番の緑のヤギ革で/ドライクイーニング/消しゴムを使ったクリーニング注意深く/表紙の補修、タイトルページの前の挿絵のページは紙を継ぐ/角の折れ目直し/ページの上部がつながっているところを切る/P93とP169から176の補修」
というように指定します。また箔入れは機械製本とは違い、革に金箔押しをするので、どの活字を使うか、続き物であればコピーが添えられています。


補修だけの場合は、3時間以内の仕事、10時間以内の仕事に分けられます。
そして出来上がった指示書をこちらもまた違う人が再度確認して、資料と一緒に補修や製本にまわされます。


返ってきたものを検品も入念にします。指示書どおりになっているか、また補修のみの場合には補修報告書も添えられてきますので、どのような補修をしたかも確認します。このチェックはけっこう厳しくされていました。もちろん、指示通りになっていないと戻してやり直しです。

指示書です。1冊に1枚あります。