外注製本の準備


研修のスタートは外注製本の準備の部署からでした。
フランス国立図書館(以後BnF)では、図書と逐次刊行物の両方を外注製本に出しています。


まず、資料を持っている所管課で製本に出したい本を選びます。
1年間に製本に出す冊数は決められていて、スケジュール通りに保存部に運び込まれます。
それらを保存部の外注製本担当部署で準備します。


こちらの担当は11名で、ローテーションで登録、点検、梱包、検品を行っています。
図書と定期刊行物、そして閲覧用か書庫本かに分けられています。
年間45000冊を3社に分けて製本に出しています。


登録は一冊一冊注意深く本を見ながらパソコンに入力します。
まず本の寸法(長さ×幅×厚み)を入力して、その本がどのような形態であるか、紙の種類、綴じの種類、ノド部や本文に余白はあるか、挿入物の有無、カバー、表紙のどの部分をどのようにとっておくか(情報があればすべて保存します)クロスの色はどうするかなどなど細かく入力します。すると自動的にどういう製本になるとコンピューターが判断します。製本方法の分類は図書6種類、定期刊行物8種類の計14種類で、その方法によって業者が分かれます。そして最後に「決定」を押すと背文字の設定画面にうつります。


本のタイトルや大きさはすでに登録されているので、こんな感じになりますと自動的に出てきますが、入りきらない場合はこのように入れるべしと指定をします。定期刊行物など続き物は、これまでと同じものが出てきますので、号数の入れ替えをします。図書の場合は、背の幅が薄ければ1行で背と平行に、厚みがあればクラッシックと呼ばれる背と垂直方向に文字を入れるようにします。背文字入れにも事細かにルールがあります。

入力した情報は打ち出して、1冊に1枚の指示書を挟み、点検担当が内容をチェックします。

その後、梱包をして、出荷します。

製本を終えた資料は、指示書が挟まれたまま戻ってきますので、その指示通りになっているか点検します。
折り込み地図などはすべて裏打ちされます。また、切り取り線があるものも裏打ちされます。
資料に関係のある挿入物も紙を足すなどして一緒に製本されます。(私が見たのはナショナルジオグラフィックの定期購読のチラシでした)

ほんとうに書ききれないくらい、製本の方法にも背文字入れにも事細かにルールが決まっていました。
そして一冊一冊の本がとても大切に慎重に扱われていることに驚きました。

表紙の角は丸いです。見えますか?むむむ見えないですね。

ここを一番はじめに研修させていただいたおかげで、製本用語を一気に知ることができました。(頭がバクハツしそうでしたが・・・)