突然の訪問者


文化遺産の日の興奮冷めやらぬ月曜日。
みなさんは日曜出勤の疲れなどみせず、昨日はよかったなど感想を楽しそうに話しています。
そんな中、「午後に見学はいるから」「何時ですか〜?」「2時半くらいらしいよ。」

ところが、2時半を過ぎてもまったく現れる気配なし。
3時半になってようやく、いま下の階にきてるらしい。とのこと。
そして、4時すぎになってようやく到着。


見学者はなんとクリストファー・クラークソン氏!!


クラークソン氏については、ほぼ日刊資料保存 2008年3月13日の記事をご参照ください
http://www.hozon.co.jp/hobo/hobo0803.html

なんと言いましょうか、ブックコンサベーション界の重鎮のお方であります。
2003年には来日され、私とは涙の再会!!のはずが、まったく覚えておられず(当たり前ですが)、資料に一目散に向かって行かれました。


私が研修を受けている部屋には約10名が修復の仕事をしています。
ほぼ全員が、本文はパーチメントに書かれていて表紙は革の古い手稿本の修復をされています。
ですので、修復室には10冊以上の貴重な手稿本があるのです。それらに対して、「何世紀の本でどういう修復をしている」とか、「それには何を使う?」などなど、クラークソン氏も「私が以前このような本を修復したときはこうだった」とか、話し合っています。こちらのみなさんは、とても一生懸命フランス語なまりの英語で話し、聞いたことはノートにメモをし、クラークソン氏の話に耳を傾けています。

すぐに時間が経ってしまい、帰らなくてはいけない時間になってしまいました。なんと日帰りなのです!

それではまた!と一人一人と握手をして(なんと私にも♡)帰られて行きました。
フランス国立図書館は初めて来られたそうで、帰られてからみなさん「これじゃ、時間が足りないわ。また別の機会に来てもらいたい。もっとたくさん話を聞きたい!」と上司にお願いしていました。

しばらくして、私も失礼しますと帰ろうとしたら、階段のところで、まだクラークソン氏にくらいついて質問をしている人が・・・。

英仏のコンサバターの情熱に感動した日でありました。


次回こそ、研修の内容にいたします。申し訳ありません。